泥まみれの虎?宮崎駿の妄想ノート
著者:宮崎 駿
大日本絵画
発掘しました〜。
「生涯における、
戦車のシーズンは
終わった……」
さてさて、最近某映画でムスコ殿が激しく叩かれまくっているが、これはオヤジ殿の作品です。
しか〜し!
安易な気持ちでこの作品に踏み込むなかれ〜。
ジブリ作品大好きとか、風の谷のナウシカ(原作)サイコー!
とかいう程度の決意で踏み込むと…足下をすくわれます。
なにせ、ページを開いたその中に広がっているのは…。
戦車オタ道
最高です!!!
本の中身は、第二次世界大戦中に実際にあった防衛戦をモチーフに妄想した「泥まみれの虎」。
それに、「宮崎駿の雑想ノート」にあった「豚の虎」の続編「ハンスの帰還」がコミックで描かれ、
その他に実際にオヤジ殿がエストニアくんだりまで取材に行った時の紀行文や、作品背景の説明文で作られています。
読み物としては、まだ「ハンスの帰還」の方が物語的に読みやすく。
おそらく、ジブリアニメから宮崎像を描いている人でも何とか読めると思う作品なのですが…。
個人的にオススメするのは、紛れもなく「泥まみれの虎」の方です!
だって、たかだか連載 6 回。ページ数にして 33 ページにしかならない漫画の為に、
わざわざエストニアまで取材に行って書いた作品ですよ!
オタですよね〜。
しかし、そのおかげもあってか描写には素晴らしいものがあります。
まるで、戦場をその目で見てきたかのような臨場感。
本来の戦車戦である混戦を、漫画が読みづらくなるまでに表現した手法。
自分が描きたいものを、描きたいままに我が侭に書き綴った内容。
オタですよね〜。
正直、万人に勧められる作品ではない…。
でも、嵌れる人には本当に面白い作品だと思います。
また、戦争を単純に真っ向から否定するのではなく…。
そこに生きた人間達の考え方・生き方を描き。
そのうえで、何がいけないのか…。何が悪いのか…。そして、どう変わっていくのか…。
そういった視点を味わって欲しい作品だな…そんなふうに思っております。
まあ、要するに…
オタですよね〜。
− おまけ −
まあ、要するに巨匠と呼ばれるこの人だって、沢山の下積み経験を持ち…。
色々な拘りを持って今まで仕事を続けてきたからこそ、巨匠と呼ばれるに相応しい実力を持っているのですよね。
親の七光りでどうこうなる物ではないことを、ムスコ殿にはひしひしと感じて欲しいものです。
まあ…某映画をまだ見ていない私が言うのも卑怯ですけど!