時載りリンネ!(1) (2)
著者:清野 静
イラスト:古夏からす
スニーカー文庫/角川書店
買いました〜。
「時砕き・ゲーデルリンネ!!」
第11回スニーカー大賞において<奨励賞>を受賞作品「時載りリンネ!」の 1、2 巻をご紹介致します。
まずはいつも通り、1 巻の裏表紙の文章を借りてあらすじを説明致しますと〜。
200万字の本を読むことでたった1秒だけ、時を止めることができる一族“時載り”。バベルの塔に住み、本を摂取することで生きている彼らだが、わざわざ人間界にやってくる変わり者もいる──それが僕の隣の家に住む幼なじみの少女・リンネだ。「わくわくするような大冒険がしたいな」というリンネの一言により僕らは、時間を自由にまたぎ歴史の中に住む死の集団“時砕き”が所有する、“誰にも読めない本”を巡る冒険を始める──!
とまあ、こんな感じ。
思いっきりぶっちゃけで個人的な感想を述べるとすれば「うん、ライトノベルっぽい!」という感じかな〜。
“時載り”という設定はなかなか面白いのですけどね。
『ジュブナイル的冒険モノ + 魔法少女』みたいな発想も結構いいです。
文章自体は非常に丁寧かつ、語彙力の高い作者なのか情景描写なんかもすごく綺麗で、上手いな〜と感じた部分もありました。
物語はどちらかといえばゆったりと流れ進展していく感じで、それによりキャラクター同士の何気ない日常会話が生きてきます。
また、絵師さんにも恵まれた感じで、そのゆったりとした雰囲気を壊さない柔らかい線が魅力的ですね。
とまあ、ここまで何やら褒めちぎっている感じなのですが…
何というか、イマイチ…
いやいやいやいや〜〜〜。
まずね、キャラクター達も悪くはないと思うのですよ。
結構しっかり設定してあるし、ツボも抑えている感じです。
しかし、個人的には媚びすぎ感とでも言いましょうか…。鼻につく程狙った設定と表現しましょうか…。
あと、ストーリーとか展開とかもね。
すごい物語物語しているんだけど、よく見ていくとつじつまが合わないというか、ご都合主義というか…。
これはラノベ読んでいる以上突っ込んじゃ駄目なポイントかもしれませんけどね。
そして何よりも個人的に良くないな〜と思ったのは…
1 巻の、大した伏線もないのに突如切り札カードが登場する部分や、
2 巻の最初から切り札カードを手元に持った展開。
これがどうもね〜〜〜。うん、イマイチでした。
まあでも、本当に物語りとしての纏まりは悪くないですし、
2 巻の帯には「人気急上昇!!」とか書いてあるので、きっと世間的にも大人気なのでしょう(棒読み)。
可愛いキャラが好きな方。あと、童話に近い安心して読めるハッピーエンドが好みの方にはオススメでしょうかね〜。