ICO(イコ)
機種:PlayStation2
発売日:2001/12/06 (Best版:2004/08/05)
発売元:ソニー・コンピュータエンタテイメント
ジャンル:アクションアドベンチャー
■はじめに
ゲーム内容は、いけにえとして城に連れて来られた主人公(少年)が少女と出会い、一緒に城の仕掛けをクリアしながら脱出を目指すアクションアドベンチャー。
・・・・と、言葉で言うには簡単ですが内容が非常に伝えにくいゲームです。
ご存知ない方は、ひとまず こちら(公式サイト)のデモムービーから「ゲームショウ」「60秒CM」の動画をご覧ください。雰囲気がつかめると思います。
画面からわかるように説明的な表示(パラメータ等)は一切存在せず、完全に画面=世界として造られています。この世界の情景が美しく、心地良い。
たまに棚からひっぱり出してここに戻ってきたくなる・・・・そんな作品です。
■手をつないで走れ
プレイヤーは少年となりスティックとボタン操作でゲームを進めていきますが、序盤で少女と出会い行動を共にします。
そこで特徴的なのが「ボタンで手をつないだり離したりする」というアクション。
少女は主人公のように頑丈ではなく、段差の高い場所に登れない、遠くにジャンプできない・・・などの行動制限があります。言葉も通じません。
それを踏まえて少年は、手をつないで連れて行く、先に高い場所に登って少女を引き上げてやる、先に崖を飛び越えてジャンプしてくる少女の手をつかむ・・・・など体を使ってフォローしてやる必要があります。
「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」(パッケージより)
■圧倒的空間とパズル要素
圧倒的に巨大で複雑な城内には随所に仕掛けが存在しており、頭と体を使ってそれらをクリアしていきます。
箱を動かして足場にする、スイッチを押して扉を開ける、レバーを動かしてエレベーターを動かす、爆弾で障害物を爆破する・・・・などなど。
これらは3D空間が効果的に使われており、(発売当時では)あまり例が無く斬新。視点は基本的にシステムまかせ(右スティックで周囲は眺められる)なのですが、場面場面でのカメラワークが絶妙で断崖絶壁の高所では思わず声が出るくらい怖いです。PS2クラスのハードでなければ実現できなかったことでしょう。
ゲームオーバーになる条件は、少女が敵(一定時間で出現)に連れ去られる、少年が高所から落ちる・・・程度のもので他に歩き回るのは自由。「城の探索」において非常に高い自由度を持っています。
また、ゲーム中は演出ムービー以外にBGMが無く、聞こえるのは風の音などの環境音と主人公達の息遣いや足音だけ。これは人によって好き嫌いが分かれますが個人的にはゲームのシンクロを高めている要素としてプラスに思います。
先を急がず、ところどころにある絶景ポイントで情景に浸る・・・・そんな遊び方ができるのはこのゲームならではですね。(そのせいかどうか、販売実績で見ると日本より海外の方が売れています)
その他、細かく作り込まれているな〜と思う部分を挙げてみると、
・まるで「未来少年コナン」(ちと古いですが)のような少年のスーパーアクション
・少年が高所から落ちた時のアクション。いやホントに痛そう
・少年が武器を振って壁に当てると、その音で少女がびっくりするアクション
・少年が爆弾に火を付けると少女が速攻で逃げ出す(笑)
・足場の材質によって足音が変わる
・詰まっていると少女が行くべき方向のヒントをジェスチャーしてくれることがある
てな感じで感心しちまいます。
難点としては、色使いと視点のせいで仕掛けの存在がわかりにくい場面がある事。
このあたりは詰まったら最悪、攻略サイトや書籍がありますので何とかなるでしょう。
総評。
「こちらスネーク。傑作だ!! PS2持ってるヤツは直ちにプレイしやがれ!!」
ピンバック: 妄想摩天楼