ダブルブリッド10巻
著者:中村恵里加
イラスト:たけひと
電撃文庫/アスキー・メディアワークス
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買いました〜。
これが そんないきものたちの ものがたり
せいとしと ちとにくとほねの ものがたり
いや〜、終わりましたね。
もう、待たされた待たされた〜。
1 巻の発売が 2000 年 2 月。
前巻の 9 巻が発売されたのが 2003 年 12 月。
実に 4 年数ヶ月ぶりの新刊にして完結になります。
待たせられたけど、ちゃんと完結させてくれた作者殿には感謝したいですねー。
いつまでも別の本の新刊ばかり書いている作家とか、
消息そのものがぱったり途絶えてしまった作家に比べれば大変ありがたいです。
“人”と、人ではない生き物“アヤカシ”と、
人でもアヤカシでもない中間の生き物“ダブルブリッド”。
その戦いはひとまず終わりです。
ストーリーはだいぶ前の巻から続いておりますので、
既刊分をお読みでない方にはまったくオススメできません。
既刊分を読まれている方で、
優樹や、太一朗や、六課の面々が気になる方は、是非手にとって読んでみてください。
個人的にはもう一歩踏み込んで語って欲しい部分もありましたが、
基本的には納得でき楽しめたラストだったと思います。
(Ωサーキット等の謎だった部分にもそれなりに正体が書かれています)
※以下、ネタバレを含みますので御注意下さい
いやぁ〜〜〜。
まあ、毎回なんですけどね。
毎回なんですけども相変わらずヒロインボロボロ。
すげーなー。正直よくここまで痛めつけられるな…と。
ラストの方なんてもう、
相変わらず左手は右手のままだし。
右目は抉られてなくなったまま。
顔面は半分が潰れて見る影もなく。
もう半面は皮膚が剥がれて肉剥き出し。
内蔵ははみ出して。
あちこち穴だらけ…
もう、ぐちょぐちょッスよ!
でも、ラストは怪我じゃなくあくまで寿命。作者の優しさ炸裂ですねー。
ただ、その瞬間の優樹はイイ!
あの明るさを取り戻した優樹最高! 惚れる!
太一の告白に答えるシーンとか、「あたしの薬指いる?」のシーンとか…
こいつらヘンだよ。
としか正直思えない行動なんですけどもイイです。
何か純粋なものさえも感じます。
なので、やはり既刊分を読まれていて登場人物達が好きだったファンの方には、
ちゃんと最後まで読んで欲しいような気がします。
とはいえ、虎司とか夏純とか…
あと、安藤が本当に無事なのかとか…
空木はどうしたのか? 大田はどうしたのか?
色々と気になる面々も残ってしまってはいるのですが、
主題はやはり片倉優樹と山崎太一朗の物語。
何というのかな…
終わった…と思ってあげないといけませんよね。
この空白の 4 年間作者さんに何があったのかはわかりませんが、
これからは『ソウル・アンダーテイカー』の方を無事書き上げて欲しいと願いたいです。
− おまけ −
つか、電撃 HP の最終号だったかに書かれた短編はどうなったのでしょう?