狼花 新宿鮫IX
著者:大沢在昌
警察にはふたつの顔がある。キャリアに代表される有能な官吏が公の席で「暴力団壊滅」をうたう一方で、現場警察官は課せられた「拳銃取締」や「違法薬物摘発」のノルマのために、顔見知りの暴力団員の力を借りる。
幹部は清潔で理想的であれ。泥は末端がかぶればよい。
鮫島が許せないと感じる、警察の根本的な体質だった。
新宿鮫シリーズ最新刊「狼花」読み終わりました。
前作以前からの鮫島のライバル、国際犯罪者の間野(仙田)とキャリア同期の香田。
この2人と鮫島の争いに決着が着いた作品でしたが….
うーん、もう一人の敵役"呉明蘭"に重きが置かれてしまって、せっかくの魅力たっぷりの悪役"間野"や、警視庁内のライバル"香田"のアクが薄まってしまってるのは残念。
呉明蘭はどうでもいいから、もっと間野・香田・鮫島三つ巴のヒリヒリするような戦いが、読みたかった。
香田さんは、この作品で退場してしまうのは残念。
ぜひとも次作以降でリベンジを。
なんなら、警察官の理想を追い求めすぎておかしくなった犯罪者としてでも良いので。
あと、広域暴力団の本家筋若頭石崎君も次作以降での活躍を期待してます。