新・垂里冴子のお見合いと推理

新・垂里冴子のお見合いと推理新・垂里冴子のお見合いと推理
 著者:山口雅也

「ー ヒントですか・・・・・・じゃあ、«神は寝ている猿なり»とでも」

お見合いをすると必ず事件に巻き込まれる悲運の和装美人、垂里冴子姉さんの新作短編集。
ついに人間以外の相手とお見合いをしてしまった第一部「見合い相手は水も滴る○×△?」
日本殺人事件の主人公、東京茶夢との奇跡のコラボを果たした第二部「神は寝ている猿なり」を収録。
お見合い時に発生した事件を、流されるままに解決していった感のあった冴子姉さんが、積極的に事件に関与して解決していくさまが楽しい。

今作で、何といっても嬉しいのは日本殺人事件の東京茶夢(トウキョー・サム)と冴子さんがお見合いをし、その後一緒に推理を繰り広げる第二部「神は寝ている猿なり」。
苦悩する日本贔屓のアメリカ人"トウキョー・サム"ファンにはたまりません。
垂里冴子シリーズと日本殺人事件シリーズの舞台は、同じ東京近郊の観音市(カンノン・シティ)なので、日本殺人事件のヒロイン服部笑窪(エクボさん)などは前作にも登場していたのですが、ここでサム本人が出てきたのは嬉しい限りです。

作中で冴子姉さんが執筆を開始した「結婚」をテーマにした推理小説も気になる所。
これもあらすじを読んでいるだけで面白そうな作品なので、ぜひとも独立した小説として出版して欲しい所です。
日本殺人事件はトウキョー・サムが執筆したモノを山口雅也が翻訳したという形式を取っているので、同じように著者:垂里冴子で出版してほしいです。
できれば冴子姉さんの結婚記念で いや、彼女が結婚してしまったら事件が起きなくなるからダメか。

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