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くらのかみ

くらのかみ (ミステリーランド)くらのかみ (ミステリーランド)
 著者:小野不由美

「座敷童子がいい妖怪だって言われるのは、だからなんだね。お金持ちになるのはいいことだから、それを連れてきてくれる妖怪は、いい妖怪なんだ。」
「へえ?」と、想一はちょっと、いたずらでもたくらむような顔をした。「お金持ちになるのは、いいことなのかい?するとうちは、お金持ちじゃないから、いい状態じゃないんだな。」

講談社の子供向けミステリシリーズ「ミステリランド」の第1回配本の中の1冊です。
ミステリランドは、この本の他は森博嗣の「探偵伯爵と僕」を購入済み。

「探偵伯爵と僕」もそうなんですが、子供向けとは言え、なかなかに丁寧なミステリで、いっさい手抜きはありません。
5人しかいなかったはずの子供たちにまじった座敷童子、しかしどの子が座敷童子かは誰にも分からない。
そんななかで起こる旧家の後継者争いと、それに関連するかのような後継者候補に襲いかかる不可解な事故。
しかも座敷童子の招待が、メイントリックにも関連してくる解決篇はなかなかに爽快です。

子供だけでなく、ミステリ好きだったかつての少年少女にもオススメの1冊です。

屍鬼

412KQV6K53L._SL75_.jpg414PVP4862L._SL75_.jpg屍鬼〈上〉ir?t=dogmatismandp-22&l=ur2&o=9
屍鬼〈下〉
 著者:小野不由美

村は死によって包囲されている。

樅を育てて生きてきた外場村は、その夏異常な数の死者に見舞われていた。
前駆症状は軽い貧血に見えるが溶血も失血の痕跡も無い、しかしその後わずか2〜3日で症状が激烈に悪化し、ついには多臓器不全で死に至る。
また、それと前後して村人たちが夜中に転居していくという不可解な現象も起こる。
原因を調べていた医者尾崎と、幼馴染である僧侶静信が達した答えは
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