レイディアント シルバーガン

レイディアント シルバーガン

機種:Arcade / Sega Saturn
発売日:1998/07/23 (Sega Saturn)
発売元:トレジャー
ジャンル:シューティング
基本情報は、こちら

<ご注意>この記事にはストーリーに関するネタバレが含まれています。


Silvergun1Silvergun2

■必要なのは、あきらめない心

本作はある程度慣れるまでは「難易度が高い」「非常にとっつきが悪い」と感じるゲームだと思います。要因は下記にあります。

  • 複雑な操作
    自機はレバー+3ボタンで操作しますが、ボタン操作が複雑です。
    それぞれ A,B,C ボタンとすると、3ボタンの組み合わせ(Aのみとか、A+Cとか)によって使える武器が異なります(7種類)。
    威力が高い、後方に撃てる、敵を追いかける・・・等、それぞれに特性があります。
  • 挑戦的な敵機の配置
    上記の要素に合わせて、敵機は全方向から攻撃してきます。
    初見では即死するような場面もあり、場面場面で有効な武器を判断して使い分けていく必要があります。
  • 独特のスコアシステム
    このゲームでは得点で自機がパワーアップします。
    ステージが進むに従って敵機の耐久力が上がり、きっちり得点を稼いでいかないとパワー不足で敵を倒せない絶望的な状況になります。
    つまり、ある程度得点を稼ぐことを強要されるシステムになっています。

    それを踏まえて、敵機には赤、青、黄の色付けがされており、同じ色の敵を撃っていくことにより得点が上昇していきます。
    また、武器の使用方法によっても得点が得られ(敵機に??回当てると1万点・・・等)、プレイヤーは状況を考察し、「どの武器を使って、どう撃てばベストな得点が得られるか」を対応していく必要があります。
    これは近年のシューティングゲームに少数派の、パズル的、戦略的な要素が含まれています。

以上の点は「特に考えずにプレイしても気持ちよく感じる(娯楽行為が容易)」を求めているプレイヤーであれば高い敷居になります。
発売ハードはアーケード版とサターン版がありますが、アーケード版の運用ではインカム(売り上げ)面で不利な要素が満載です。
(説明を見た → 難しそう → やらない。やってみた → 難しい → もうやらない。)
それを考慮してか、アーケード版の稼動開始から2ヶ月後という速さでサターン版が発売されています。
これは「サターン版でたくさん練習して、アーケード版もプレイしてネ」という製作者の意図が含まれているものと思います。

で、これらのネガティブな部分をねじ伏せるのが「パターン化」です。
全工程の90%程度(←私の感覚)はパターン化でき、考えながら地道にやっていけばエンディングに到達することが可能です。
また、横画面で縦スクロールという仕様からゲームスピードが比較的低速に抑えられている点もプラス要素。
演出面に目を向けると、オーケストラ調のBGM(作曲:崎元仁)やサターン最高水準のグラフィックがプレイヤーの没入感を高めます。

プレイヤーにおいては、パターンを作って覚える行為と、それを成功させていく達成感を面白く感じられるかかどうかにかかっています。


■製作者のメッセージ

ストーリーには表向きの意味の裏に製作者のメッセージが隠されています。
公式ガイドブックの製作者インタビューより。

<Q>
特徴的なゲームシステムが採用されていますが、何か特別な狙いや思いがあったのでしょうか。

<A>
「他と同じものを作ってもしょうがないでしょう。」「ゲームらしいゲームにしたかった。」
というのが表向きの回答ですが、この質問に関してはゲームの中にメッセージとして入れてあります。探してみてください。

まず、サターン版(サターンモード)でエンディングへ到達すれば表向きのストーリーは理解できると思います。
(サターン版のCDをPCで見るとストーリーのテキストが入っていますので、それも参考になります)

<ストーリー概略>

  • ストーリー上の現代には、「クリエイタ(人類の作り出したロボット)」が存在している。
  • ある日、紀元前の地層から「石のような物体(正体不明)」と、現代のクリエイタと同じ物が発掘された。
    早速、発掘されたクリエイタから記憶データを解析すると、とんでもないことが判明した。
  • その直後、石のような物体が攻撃を始め、その力で地球の人類を消滅させる。
    地球の軌道上にいた主人公達はその難を逃れ、石のような物体に最後の戦いを挑もうとする。
    主人公の宇宙船に同乗していたクリエイタは解析された記憶を読み、主人公達(男女)が出撃する前に「髪の毛」をもらう。
  • 結局、主人公達は石のような物体に勝てず、人類は滅びる。
  • 生き残ったクリエイタは壊滅した地球に降りる。主人公達からもらった髪の毛で人間のクローンを作り、人類を復活させる。
  • クリエイタはクローンの覚醒と同時に力尽き朽ちていくが、人類は長い時間をかけて繁栄し、ストーリーの最初に戻る。
  • 石のような物体とは地球を守るもの、地球そのもの。

ここで、既出した文面
「これは近年のシューティングゲームに少数派の、パズル的、戦略的な要素が含まれています。」が意味を持ちます。
少数派=このようなタイプのゲームは過去にあった、ということで具体的には「グラディウス」「R-TYPE」シリーズ等が挙げられます。
1980年代のアーケードゲーム黄金期に活躍したこれらのタイトルは、いずれも奇抜なパワーアップや戦略性が含まれ、現在主流になっている「ショット+ボンバー+弾幕」タイプとはベクトルが異なっています。
ビジネスとしてこれを続けることができたかという点は歴史が物語っていますが、製作者は売れる物だけ作り続けて飽きられたら、そこには衰退が待っていることを危惧しています。
ゲーム(シューティング)業界の危機感と共に、今のゲームが(売る為に)あきらめてしまったものをシルバーガンを通じて復活させる。
その姿はストーリー中の「滅びた人類のクローンを作るクリエイタ」に重ねることができます。

なお、サターン版(サターンモード)のステージ1で流れる音声は製作者が真に意図している原文から変更されています。
原文はネット上のどこかに公開されていますので、興味を持たれた方は探してみてください。


■おまけ・・・私のたわごと

  • その1
    自機を敵機、敵弾、地形にカスらせるとわずかですが得点が入ります。
    このシステムが入っているおかげで、スコアラーは効率よくカスる研究もしなくてはなりません。
    (サターン版ではオプションモードでキャラの当たり判定を見ることができます。)
    全工程の中にカスリを組み入れるとミスを誘発する切ない仕様です。
    反面、オールクリア時に残機を得点に変換するシステムが採用されていないのはありがたいと思います。
  • その2
    サターン版ではオプションモードでステージセレクトができますが、スタート時の武器レベルはゼロからです。
    通しでプレイすると各ステージ開始時のレベルは異なりますので練習には使えません。
    スタート時の武器レベルを設定できる機能が標準で欲しかったところです。
    ちなみに「プロアクションリプレイ」(ゲーム改造ツール)を使用すれば上記は実現できます。
  • その3
    サターン版は発売時期がサターンの末期なこともあって生産数が少なめです。
    それでいてそのスジの人からの評価は高いので、中古相場は定価の2〜3倍です。
    今から入手したい人はこの値段が最初の敷居になるでしょう。
    それでも私は、最後までやり遂げられれば値段分は楽しめると思います。
  • その4
    この文面を書くに当たって、私の経験値としてはこんな感じです。
    アーケードモード STAGE2コース:ALLクリア 1700万点
    アーケードモード STAGE4コース:ALLクリア 2200万点
    精進が足りませんねぇ・・・・ステージ5Aは滅多に繋がらなくて本当に難しい(けど面白い)です。
  • その5
    今の時代にゲームという娯楽で努力を求められるのは、ある意味矛盾しています。
    しかしながら、やり込みによって初めて見えてくる「何か」や、振り返った時に投入時間/経験/成果物の価値は大なり小なりある(ゼロではない)、と経験的に感じます。大抵は自己満足ですが。
    ・・・・・・・・・
    と、なんだかんだ言っても嗜好品と同じで、口に合わなかったら食べる食べないは人それぞれになっちゃいますけどね。
    ゲームをチョイスするだけでも労力はかかりますし、娯楽の選択肢はゲームだけではありません。
    それはそれでいいんです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください