時代小説」タグアーカイブ

黄金旅風

5106H2PWYEL._SL75_.jpg黄金旅風
 著者:飯島和一
寛永年間、内外の脅威から海外貿易都市・長崎を守った二人の快男児。
「金屋町の放蕩息子」史上最強の朱印船貿易家・末次平左衛門と「平戸町の悪童」内町火消組惣頭・平尾才介の活躍を描く物語。
飯島さんの小説は「雷電本紀」以来なのですが、素晴らしかったです。

弟を怪我させた暴れ馬を自分の身の丈を越える斬馬刀でぶった切ったり、火事場から子供を救い出すために顔半分に大やけどをしたりしている平尾才介。
長崎代官として私財を投げ打って火事にあった人たちを助ける末次平左衛門。

権謀術数を嫌い、私利私欲を捨て、ただ4万の長崎の民のために闘った男の生涯!

良いですねぇ、燃えます

嗤う伊右衛門

515RZY5ZGSL._SL75_.jpg「嗤う伊右衛門」
 著者:京極夏彦

四谷怪談をベースに京極夏彦が描いたラブストーリ。泣かせます

岩と伊右衛門、どちらも相手の事を想っているのに、ちょっとした行き違いとで2人は別れ、しかしそれでも互いに求め合う。
ラスト伊右衛門と岩の抱き合う骸が登場するシーンの描写は秀逸。
愛憎、美醜、正気と狂気、相反する感情を描いた傑作です。

魔界転生

510NE23SZPL._SL75_.jpg「魔界転生」
 著者:山田 風太郎

山風忍法帖シリーズの中でも最高傑作にあげられるのではないでしょうか。
久しぶりに読み直しました。
同時代に生きた剣豪達を一同に集めて、さて誰が一番強いのか?ってな小説です。
忍法とバテレンの妖術を組み合わせた怪しげな術で死んだはずの剣豪達も魔人として、この世に転生しています。

まず、顔ぶれがものすごい。
敵側の魔界転生衆には田宮坊太郎、宝蔵院胤舜、柳生如雲斎、柳生但馬守宗矩、天草四郎時貞、荒木又右衛門、宮本武蔵。
柳生十兵衛側には、木村助九郎、関口柔心、田宮平兵衛。
こいつらが丁々発止とやり合うんですから、伝奇小説ファンにはたまりませんなぁ。
#まっとうな歴史小説ファンは読んではいけません 😛

やはり山田風太郎は良い

八犬伝

5176CGVY9ZL._SL75_.jpg「八犬伝」
 著者:山田 風太郎

滝沢馬琴が活躍する”実の世界”と、八犬士達が活躍する”虚の世界”が交互に描かれます。
馬琴が友人の北斎に八犬伝のアイデアを話すといった構成です。
虚々実々入り乱れ、なかなか読み応え十分。

じつは20数年ほど前になにげなく読んだこの本が、私が山田風太郎を読み出すきっかけになった本だったりします。
今でも、たまに読み返したくなる一品。