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なで肩の狐

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 著者:花村萬月
主人公は、自らの暴力衝動に嫌気がさしてヤクザ稼業から足を洗った木常(キツネ)と、気の弱さから勝つことができず十両まで行ったが引退した元力士蒼ノ海
キツネが以前のヤクザ仲間徳光から預かったアタッシュケースをめぐって、以前の盟友笹山とゴチャゴチャする話。
初期の萬月作品は、たいてい最後は主人公が遠いところに向かうんですが、この作品もご多分に漏れず最後は北海道を目指します。

圧倒的な暴力と、その裏にある優しさと倦怠感。
キツネも蒼ノ海も無茶をしますが、最後はなんだかホンワリさせられる話。
圧巻はラストの蒼ノ海 vs 羆
こらもう凄いとしか言いようがありません。

皆月

51CMGZ902EL._SL75_.jpg皆月
 著者:花村萬月

主人公は妻に1,000万の貯金を持って逃げられたオッサン
彼がヤクザ者の義弟とソープ嬢と共に妻を探して能登半島皆月まで行く話。

冒頭で主人公はゲイと喧嘩して前歯を折られたり、かなり切ない目にあいます。
が、最終的には主人公はヤクザ者の義弟との旅を通して、徐々に男として「再生」していく。
ラストはしんみりと泣けます。

この手のダメオヤジ再生モノは大好物なので星4つです。

渋谷ルシファー

2128WTXA88L._SL75_.jpg「渋谷ルシファー」
 著者:花村 萬月
渋谷ルシファーを久しぶりに読み返しました。
初期の萬月は良いなぁ。
直木賞を取ってからは遠ざかっていたけれど、最近無性に読み返したくなってきました。
「皆月」「重金属青年団」「なで肩の狐」あたりを読み返すかな。
最近新作が出てたみたいなので、そちらも読んでみたいかも。

で、渋谷ルシファーに戻って、これはデビュー作ゴッドプレイス物語の後日談的作品なんですが、前作の主役が脇に回ります。
1話目の「Me and The Devil Blues」ですがロバート・ジョンソンの同名曲のタイトルです。
The Complete Recordings辺りに収録されてます。
実は昔、渋谷ルシファーを読んだ後、このCDを探しにタワーレコードに行った覚えがあります。こちらも久しぶりに聞いてみるか。

そう言えば、ロバートジョンソンの伝説にクロスロードで悪魔と取引をしてブルースのスピリットを手に入れたってのがあるけど、この辺は20世紀少年 17巻でも引用されてたなぁ。
# ダミアン吉田が西日暮里の交差点で悪魔くんと出会うエピソード

なんか今日はとりとめがないですな。
とりあえず、明日は20世紀少年の18巻を買いに行くか。