前巷説百物語

前巷説百物語 (怪BOOKS)前巷説百物語
 著者:京極夏彦

「泣き乍ら帳尻合わせるばかりが人の道じゃねえ。
騙して賺して謀って、夢ェ見させてやることだって出来るじゃねェか。
神や仏ってな、その夢なんだろが。神も仏もねェ世なら、化物でも何でも構いやしねェ。
所詮この世は嘘ッ八だ。嘘と承知で収められねェものかよゥ。

小股潜りの又市が御行になる前、御燈の小右衛門や山猫廻しのおぎんと組んで仕事を始める前の駆け出しの頃のお話。
荒唐無稽な大仕掛けを仕掛ける「寝肥」や「周防大蟆」、御燈の小右衛門との出会いを描いた「かみなり」など前三作とは違った趣。
青臭い又市が、時に失敗をしながらも成長していくさまは読んでいて楽しい。
駆け出しの頃の話なので、前三作のような凝りに凝った大仕掛けは無いが、これはこれで楽しいです。


しかし、ラスト稲荷坂の祇右衛門との因縁を描いた「旧鼠」では一転してヒリヒリとした緊迫感を感じさせる。
これも今までの巷説百物語シリーズには無い雰囲気で中々に良い。

巷説百物語を読んできている方には文句なくオススメ。
読んでいない方は、巷説百物語から読むことをオススメします。

前巷説百物語」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 西巷説百物語 : dogmap.jp

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