沙門空海唐の国にて鬼と宴す
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著者:夢枕獏
「おれは、密の何もかもを、根こそぎこの手にほしいのだよ。」
「—」
「しかも短期間でだ」
「なんと」
「そのためには、ただの留学僧空海として青龍寺へゆくよりは、
あの空海ということでゆく方が早かろう。」
貞元二十年(西暦804年)、遣唐使として橘逸勢らとともに入唐した若き沙門空海。
その頃、唐の都長安では、2つの妖異な事件が起こっていた。
役人、劉雲樵の屋敷には人語を解し予言をする猫が現れ、郊外の綿畑では夜な夜などこからともなく声が聞こえてくる。
長安入りした空海と逸勢は、その事件に関わっていき…
空海と逸勢の掛け合いが楽しい長編小説。
獏さんの「陰陽師」シリーズの晴明・博雅コンビを思い出します。
陰陽師シリーズがお嫌いでない方にはオススメの1冊です。