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新・垂里冴子のお見合いと推理

新・垂里冴子のお見合いと推理新・垂里冴子のお見合いと推理
 著者:山口雅也

「ー ヒントですか・・・・・・じゃあ、«神は寝ている猿なり»とでも」

お見合いをすると必ず事件に巻き込まれる悲運の和装美人、垂里冴子姉さんの新作短編集。
ついに人間以外の相手とお見合いをしてしまった第一部「見合い相手は水も滴る○×△?」
日本殺人事件の主人公、東京茶夢との奇跡のコラボを果たした第二部「神は寝ている猿なり」を収録。
お見合い時に発生した事件を、流されるままに解決していった感のあった冴子姉さんが、積極的に事件に関与して解決していくさまが楽しい。
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ステーションの奥の奥

ステーションの奥の奥 (ミステリーランド)ステーションの奥の奥 (ミステリーランド)
 著者:山口雅也

「うん。ぼくはこれから、ここへ吸血鬼を呼び出してみようと思うんだよ。」

小学6年生の陽太は東京駅が全面改築されることを知り、東京駅を探検して夏休みの自由研究にしようとする。
東京駅を探検するため、夜之介おじさんとともに東京駅の「東京ステーション・ホテル」に向かう。
そこで、彼らが遭遇した奇妙な事件。
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奇偶

51R1M6T69RL._SL75_.jpg奇偶
 著者:山口雅也
山口雅也が本格推理小説のタブーである「偶然」に真っ向から挑む。

主人公である作家「火渡雅」の周りで起きる不可解な偶然の連鎖。
偶然起きた事件には必ずゾロ目のダイスが関連し、人物の名前は易経と関連する。
主人公と友人の精神科医が事件の背景を推理していくが、どうしても偶然性を排除することができない。

推理小説のスタイルを取りながらも事件の解決はそっちのけで偶然を俎上に載せ、物理学・数学・神学・哲学・文学・民俗学・心理学・易経などあらゆる分野からの検討がなされる。
ともすれば、読者の人間としての存在意義さえも揺らがせる力作。
屁理屈好きにはたまらない一冊。
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日本殺人事件

51QJXXXRNSL._SL75_.jpg618JWXBH9RL._SL75_.jpg日本殺人事件
続・日本殺人事件
 著者:山口雅也

山口雅也が古本屋で偶然見つけたペイパーバックをアメリカ人の原著者 Samuel X の了承の下に翻訳して出版したと言う体裁を取る作品。

舞台は外国人が妄想するおかしな日本。そこでは、まだ人力車が走り、侍が息づき、家々の門前には鳥居が立ち、遊郭が公認されていた!
死別したカズミ・カアサンの祖国日本のカンノン・シティーに移住してきたトウキョー・サム(トウキョーは母の旧姓)が、奇妙なハラキリ事件、茶室の密室、オイラン連続見立て殺人、相撲取り連続殺人、僧侶消失事件など数々のジャパネスクな難事件に挑む。
いや、もう徹底しておかしな日本に脱帽です。

お気に入りは、続・日本殺人事件収録の「実在の船」。
禅問答を主軸に話が進むため、多少難解ですがオススメです。
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垂里冴子のお見合いと推理

51C0WCRPVVL._SL75_.jpg516WPX36AJL._SL75_.jpg垂里冴子のお見合いと推理
続・垂里冴子のお見合いと推理
 著者:山口雅也

お見合いをするたびに事件が発生し、事件を解決はするが自分の縁談がまとまらない女性が主人公。
おっとり、のんびりの和風美人冴子さんが活躍したりしなかったり、どちらかと言えば周りがヤキモキ。

山口雅也の小説にしては珍しく普通のミステリです。

「事件は解決、縁談は未解決」
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マニアックス

511KP1Z60CL._SL75_.jpgマニアックス
 著者:山口雅也

様々な Maniac な人たちを主人公にした短編集。
BGMには moon riders の「マニアの受難」辺りはいかがでしょうか?

ドールハウス蒐集家で密室物ミステリマニアの主人公の引き起こした密室殺人を描く「人形の館の館」がお気に入り。
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生ける屍の死

512Y7GX4PYL._SL75_.jpg「生ける屍の死」
 著者:山口 雅也

一度死んでも蘇る世界で起こる連続殺人、探偵も容疑者もすべて死体である環境でなぜ殺人が起こるのか?
殺人犯の動機は、これしかありえないと言う動機です。
他の山口雅也の小説にも言えることですが、舞台設定は奇妙なのに解決はスマートです。
一見、変化球に見えるけれども、それは舞台が捻れているからで実は直球ド真ん中で勝負してます。

読後感は、かなり爽快。