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幽談

幽談 (幽BOOKS)幽談
 著者: 京極 夏彦

「こうやって、可能性を広げていく、それが想像力だと俺は思う。だから神秘と合理は相反するものじゃない。合理の先に神秘はある。非合理が神秘だと思うのは、そりゃ間違いだろうし、合理は神秘を否定するという、そういう短絡も、アホだと思うぞ」

ホラーでもない、怪談でもない、八つの幽談を納めた短編集。
収録作品はどれも、怖いわけでもなく、恐ろしいわけでもなく、可笑しいわけでもなく、なんとなく儚い、幽かな話。
京極堂シリーズや怪談百物語シリーズのような、キャラが立っている作品ではありませんが、味わい深い作品。
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銀河不動産の超越

銀河不動産の超越銀河不動産の超越
 著者:森 博嗣

そうなのだ。どうもみんなが凄まじすぎる。この近辺の人たちは、というか、私を取り巻く人たちは凄まじいのだ。凄まじい人が私に接近してくるのだろうか。あるいはもしかして、人間はみんなそもそも凄まじい生きものなのか。そんな中で、私だけが平凡でテンションが低いのだろうか。そんな気もしてきた。

気力のない主人公が、凄まじい隣人達に流されながら、ゆるーく生活していくお話し。
ただし、最終章だけ怒涛の展開。

ユルいテンポと、流されながらもなんだか上手い方に転がっていく主人公が良いです。
ラストに叙述トリックを持ってくるところはミステリ作家としての面目躍如か?

森博嗣ファンにオススメ。

数学ガール

数学ガール数学ガール
 著者:結城 浩

「虚数単位以外に、どんなアイがあるの?」

数式の展開が好きな僕が、高校時代に出会った2人の少女ミルカさんと、テトラちゃん。
数列とパターンに始まり、素因数分解・角運動・フィボナッチ数列・相加相乗平均・微分積分・カタラン数・コンボリューション・テイラー展開・バーゼル問題、そして分割数。
彼女らと旅する数学の世界。

プログラマの数学の結城浩が、LaTeXで組版した小説。
才媛ミルカさんと、元気少女テトラちゃんとともに旅する数学の世界は魅惑的。
通読すると、細かい理論はさておき、大筋で分かった気になれるところも流石です。

数学が好きな人にも嫌いな人にもオススメ。

スカイ・イクリプス

スカイ・イクリプススカイ・イクリプス
 著者: 森 博嗣

「嘘をつくと、顔に出るぞ」クサナギが睨んだ。
まぁ、そのとおりだろう、とササクラにもわかっていた。嘘をついたときの顔は、このコーヒーと同じくらい苦くてオイル臭いにちがいない。

読売新聞のWebサイト「yorimo」で連載されていた短篇を中心としたスカイ・クロラシリーズの番外短編集。
前作で終わった気になっていたので、これは嬉しい余韻です。
スカイ・クロラシリーズの中心人物クサナギ、カンナミ以外の人物に焦点をあてた短編集。
お気に入りは、整備士ササクラを主人公にした1話め「ジャイロスコープ」と、ティーチャを主人公にした2話め「ナイン・ライブス」。

関連記事:クレィドゥ・ザ・スカイ

ダブルブリッド10巻

ダブルブリッド(10)ダブルブリッド10巻
著者:中村恵里加
イラスト:たけひと
電撃文庫/アスキー・メディアワークス
関連記事:ソウル・アンダーテイカー

買いました〜。

これが そんないきものたちの ものがたり
せいとしと ちとにくとほねの ものがたり

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刀語 第一巻〜第十二巻

刀語 第一話 絶刀・鉋刀語 第二話 斬刀・鈍刀語 第三話 千刀・鎩刀語 第四話 薄刀・針刀語 第五話 賊刀・鎧刀語 第六話 双刀・鎚刀語 第七話 悪刀・鐚刀語 第八話 微刀・釵刀語 第九話 王刀・鋸刀語 第十話 誠刀・銓刀語 第十一話 毒刀・鍍刀語 第十二話 炎刀・銃

刀語
第一話 絶刀・鉋 (ゼツトウ・カンナ)
第二話 斬刀・鈍 (ザントウ・ナマクラ)
第三話 千刀・鎩 (セントウ・ツルギ)
第四話 薄刀・針 (ハクトウ・ハリ)
第五話 賊刀・鎧 (ゾクトウ・ヨロイ)
第六話 双刀・鎚 (ソウトウ・カナヅチ)
第七話 悪刀・鐚 (アクトウ・ビタ)
第八話 微刀・釵 (ビトウ・カンザシ)
第九話 王刀・鋸 (オウトウ・ノコギリ)
第十話 誠刀・銓 (セイトウ・ハカリ)
第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ)
第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ)
著者:西尾維新
画:竹
講談社BOX/講談社
関連記事:零崎軋識の人間ノック
買いました〜。

ああ。ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているかもしれないけどな
ちぇりおっ!

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工学部・水柿助教授の解脱

工学部・水柿助教授の解脱工学部・水柿助教授の解脱
 著者:森 博嗣

諸君、読みたまえ。
これが小説だ。

パスカルが、あまりにも可愛くて水柿君と須磨子さんが親バカだったり。
掃除機はカッコ良いけど、実用的だから趣味の領域に入り込まなかったり。
水柿君が引退宣言をしたらインタビュアが泣いて、須磨子さんが勘ぐったりしながら繰り広げられる日常生活。
#アレ、タイトルは「離脱」の筈じゃなかったっけ?

どんどんミステリのイメージから離れていくこのシリーズ。
取り留めの無い文章が紡ぎだす独特の浮遊感を素直に楽しみましょう。

同作者の小説では「スカイ・クロラ」シリーズに次いで好きなシリーズ。
万人にオススメはできません。

鹿男あをによし

鹿男あをによし鹿男あをによし
 著者:万城目 学

「奈良の人間は、鹿に乗るんです」
「ば、馬鹿を言え」
「最近は少なくなったけど、今でも奈良公園や春日大社の近くに住んでる人は、近くのスーパーに行くときは鹿に乗ります」

奈良の女子高に産休の代用教員として赴任してきたオレが出会った中年声で話す雌鹿。
彼?に依頼されたお使いが、実は日本を災害から守る大事な役目だったとは

どことなく「坊っちゃん」風の登場人物たちと主人公が織り成すゆる〜いファンタジー。
歴史ネタや日本神話ネタを散りばめつつ構成されたストーリは、先が読める展開だが、それがまた妙に心地よい。
玉木宏主演のドラマ版は見ていなかったのだが、ヨメが録画していたはずなので時間があるときに見てみよう。

鴨川ホルモーがお嫌いで無い方にはオススメ。

黒猫館の殺人

黒猫館の殺人 (講談社文庫)黒猫館の殺人
 著者:綾辻 行人

「いいねえ、北海道は」
「梅雨が無いのも台風が来ないのも確かにいいけどね、問題の核心はなによりもまず、あいつらがいないことだ」
「あいつら?何ですか、それ」
「ゴキブリに決まってるだろう」

ホテル火災に巻き込まれ、記憶をなくした男。
彼が火災現場から持ち出した手記には、中村青児の設計した館"黒猫館"で起こった事件が綴られていた。
鹿谷は、どこにあるとも知れない黒猫館を探し、彼の記憶を取り戻すことができるのか?

館シリーズ6作目。トリックのスケールは大きいけどうーん。
はじめにトリックありきで物語を作った感満点ですね。
叙述トリックと言うよりは間違い探し感の高い小ネタ満載です。