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バスティーユの陥落

バスティーユの陥落 (小説フランス革命) (小説フランス革命 2)バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)
 著者:佐藤賢一

「感じさせてやれ、色男。みているだけで女が身悶えてしまうくらいの、お前のことが欲しくて欲しくて堪らなくなるくらいの、それは激しい演説を打ってこい」

停滞しているヴェルサイユの国民三部会を後にし、ミラボーとロベスピエールはパリへ。
パリでは、凶作、食糧不足、物価高騰に加え平民大臣ネッケルの罷免で民衆の怒りは暴発寸前。
そんなおり、ミラボーはパレ・ロワイヤルで管撒いていたデムーランを焚き付け、暴動を勃発させる。
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革命のライオン

革命のライオン (小説フランス革命) (小説フランス革命 1)革命のライオン (小説フランス革命 1)
 著者:佐藤賢一

「よく覚えておきたまえ、男は保身だ。」
女でも、金でも、名誉でもない。男に取って、本当の大事は保身なのだ。

1789年、フランス国王ルイ16世決定により、第一身分(聖職者)・第二身分(貴族)・第三身分(平民)から、それぞれ選ばれた議員たちによる全国三部会が、ヴェルサイユで開催された。
特権二身分の差別意識から中々進展しない議会に、業を煮やした第三身分の議員たちは、独自に国民議会を宣言する。
そんな折、平民大臣として民衆に絶大な人気を誇ったネッケル財務大臣が罷免され
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カポネ

カポネカポネ
 著者:佐藤賢一

「それにしても・・・」
どうして、こんなことになっちまったのかなあ。アルは自らの呟きに捕らえられた。ただ俺はビジネスに励んできただけなのに・・・。それがアメリカ流だったはずなのに・・・。

20世紀初頭のニューヨーク。
イタリア人街の顔役であり、ギャングの大ボスであるジョニー・トリオに見込まれた青年アル・カポネ。
バーテンダーからはじめた彼が、持ち前のビジネスセンスと明晰な頭脳、問答無用の破壊力で、裏社会を支配する帝王になる。
アル青年が暗黒街の帝王としてシカゴに君臨するまでを描いた第1部と、彼に憧れ執拗に追い回す禁酒局特別捜査官エリオット・ネスの栄光と堕落を描いた第2部からなる二部構成。
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女信長

51D4SSYCG3L._SL75_.jpg女信長
 著者:佐藤賢一

「ああ、私は必ず勝つ。女というなら、女は博打などしない。そんな馬鹿げた真似をするのは男だけだ。
成功を確認しないかぎり、女は梃子でも動くことがないものだ。

織田信長は女だった。
女ならではの発想で世の男どもを出し抜き、斉藤道三、浅井長政をはじめとする並み居る戦国武将を誘惑し、ヒステリックに金切り声で叫ぶ。
信長が女性だったという設定で、鉄砲隊の導入や、浅井長政の裏切り、本能寺の変を描く伝奇小説。
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褐色の文豪

51WQFQ0QRWL._SL75_.jpg褐色の文豪
 著者:佐藤賢一

「黒い悪魔」ことデュマ将軍の息子であり、三銃士の著者、大デュマ先生の生涯。
少年時代にナポレオンの敗走を目撃してから軍人には見切りをつけたが、さりとてなりたいものは無し。
そんなデュマが、デュシの翻案による「怪奇ラムレット」(原作シェイクスピア)の舞台を観たことで劇作家を目指し、ついには「三銃士」「モンテクリスト伯」などの傑作を著す話。

とにかくデュマ先生の人物造詣が素晴らしい。
父ちゃん大好きなデュマが、父ちゃんの話題で盛り上がったり、父ちゃんのようになりたいと革命の立役者になりたがったりする所は読んでいて微笑ましい。
晩年の破産後の境涯こそいじましいが、それでも無茶をするあたり憎めません。

佐藤賢一好きには文句無しにオススメ

カエサルを撃て

31JYCT4QYQL._SL75_.jpgカエサルを撃て
 著者:佐藤賢一
ユリウス・カエサル率いるローマ軍のガリア侵攻を、ガリア側の首魁ヴェルチンジェトリクス側の視点から描いた反ガリア戦記とでも言うべき作品。
諸部族が群雄割拠するガリアを纏めあげ、ローマ軍に対抗した若者ヴェルチンと、政治家人生も終盤を迎えポンペイウスへの劣等感に苛まされるカエサルの対比が楽しい。

特に中盤、ヴェルチンとカエサルが直接対峙する辺りからの疾走感は圧巻。
政争に明け暮れ、疲れきっていたカエサルが、ヴェルチンとの対峙で軍人としての誇りを取り戻していく過程が丁寧に描かれ、最終決戦まで一気に盛り上げまくります!

ヤクタ・アレア・エスト(賽は投げられた)

王妃の離婚

51WXKP3TMXL._SL75_.jpg王妃の離婚
 著者:佐藤賢一
15世紀末のフランスを舞台にした法廷サスペンス。

ルイ12世の離婚申し立てに徹底抗戦の構えを示す王妃ジャンヌ・ドゥ・フランス。
ジャンヌ側証人までがルイ側に寝返る不正裁判を、辣腕弁護士フランソワがひっくり返すラストは爽快です。

「インテリは権力に屈してはならない」

傭兵ピエール 2巻

319ACVAVPAL._SL75_.jpg傭兵ピエール (2)
 原作:佐藤賢一
 作画:野口 賢 YJC
買いました〜。

言わずと知れた、数日前に共同執筆者がレビューした小説のコミック版。
共同執筆者が知っていたかどうかはわからないが、小説版のレビューがコミック 2 巻の発売日とほぼ一致していた!
でも、それだけ(爆)。

原作ファンなら、読む必要なし!(爆)
原作未読の人が入り口として読むには良いかもしれないが
いきなり小説を読んだ方が良いような気もする。
そんな作品。

傭兵ピエール

511T178N23L._SL75_.jpg傭兵ピエール
 著者:佐藤賢一

ジャンヌ・ダルクと彼女を助ける傭兵隊長ピエールの話。泣かせます
悪辣非道の傭兵隊長ピエールが、憎めないキャラクターとして実に生き生きと描かれています。
脇役達も非常に魅力的。

歴史的な事実であるジャンヌ・ダルクの処刑も見事に処理し、最後の言葉「イエス様、イエス様」にも別の意味を持たせている所は見事としか言いようがありません。
伝奇小説ファンにはたまりませんなぁ。