PSYCHE
著者:唐辺葉介
イラスト:冬目景
SQUARE ENIX NOVELS
買いました〜。
「しかしこの家は気持ち悪いな。きみの内蔵のなかにいるみたいだ」
銀河不動産の超越
著者:森 博嗣
そうなのだ。どうもみんなが凄まじすぎる。この近辺の人たちは、というか、私を取り巻く人たちは凄まじいのだ。凄まじい人が私に接近してくるのだろうか。あるいはもしかして、人間はみんなそもそも凄まじい生きものなのか。そんな中で、私だけが平凡でテンションが低いのだろうか。そんな気もしてきた。
気力のない主人公が、凄まじい隣人達に流されながら、ゆるーく生活していくお話し。
ただし、最終章だけ怒涛の展開。
ユルいテンポと、流されながらもなんだか上手い方に転がっていく主人公が良いです。
ラストに叙述トリックを持ってくるところはミステリ作家としての面目躍如か?
森博嗣ファンにオススメ。
スカイ・イクリプス
著者: 森 博嗣
「嘘をつくと、顔に出るぞ」クサナギが睨んだ。
まぁ、そのとおりだろう、とササクラにもわかっていた。嘘をついたときの顔は、このコーヒーと同じくらい苦くてオイル臭いにちがいない。
読売新聞のWebサイト「yorimo」で連載されていた短篇を中心としたスカイ・クロラシリーズの番外短編集。
前作で終わった気になっていたので、これは嬉しい余韻です。
スカイ・クロラシリーズの中心人物クサナギ、カンナミ以外の人物に焦点をあてた短編集。
お気に入りは、整備士ササクラを主人公にした1話め「ジャイロスコープ」と、ティーチャを主人公にした2話め「ナイン・ライブス」。
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ダブルブリッド10巻
著者:中村恵里加
イラスト:たけひと
電撃文庫/アスキー・メディアワークス
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買いました〜。
これが そんないきものたちの ものがたり
せいとしと ちとにくとほねの ものがたり
刀語
第一話 絶刀・鉋 (ゼツトウ・カンナ)
第二話 斬刀・鈍 (ザントウ・ナマクラ)
第三話 千刀・鎩 (セントウ・ツルギ)
第四話 薄刀・針 (ハクトウ・ハリ)
第五話 賊刀・鎧 (ゾクトウ・ヨロイ)
第六話 双刀・鎚 (ソウトウ・カナヅチ)
第七話 悪刀・鐚 (アクトウ・ビタ)
第八話 微刀・釵 (ビトウ・カンザシ)
第九話 王刀・鋸 (オウトウ・ノコギリ)
第十話 誠刀・銓 (セイトウ・ハカリ)
第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ)
第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ)
著者:西尾維新
画:竹
講談社BOX/講談社
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買いました〜。
ああ。ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているかもしれないけどな
ちぇりおっ!
工学部・水柿助教授の解脱
著者:森 博嗣
諸君、読みたまえ。
これが小説だ。
パスカルが、あまりにも可愛くて水柿君と須磨子さんが親バカだったり。
掃除機はカッコ良いけど、実用的だから趣味の領域に入り込まなかったり。
水柿君が引退宣言をしたらインタビュアが泣いて、須磨子さんが勘ぐったりしながら繰り広げられる日常生活。
#アレ、タイトルは「離脱」の筈じゃなかったっけ?
どんどんミステリのイメージから離れていくこのシリーズ。
取り留めの無い文章が紡ぎだす独特の浮遊感を素直に楽しみましょう。
同作者の小説では「スカイ・クロラ」シリーズに次いで好きなシリーズ。
万人にオススメはできません。
鹿男あをによし
著者:万城目 学
「奈良の人間は、鹿に乗るんです」
「ば、馬鹿を言え」
「最近は少なくなったけど、今でも奈良公園や春日大社の近くに住んでる人は、近くのスーパーに行くときは鹿に乗ります」
奈良の女子高に産休の代用教員として赴任してきたオレが出会った中年声で話す雌鹿。
彼?に依頼されたお使いが、実は日本を災害から守る大事な役目だったとは…
どことなく「坊っちゃん」風の登場人物たちと主人公が織り成すゆる〜いファンタジー。
歴史ネタや日本神話ネタを散りばめつつ構成されたストーリは、先が読める展開だが、それがまた妙に心地よい。
玉木宏主演のドラマ版は見ていなかったのだが、ヨメが録画していたはずなので時間があるときに見てみよう。
鴨川ホルモーがお嫌いで無い方にはオススメ。
黒猫館の殺人
著者:綾辻 行人
「いいねえ、北海道は」
「梅雨が無いのも台風が来ないのも確かにいいけどね、問題の核心はなによりもまず、あいつらがいないことだ」
「あいつら?何ですか、それ」
「ゴキブリに決まってるだろう」
ホテル火災に巻き込まれ、記憶をなくした男。
彼が火災現場から持ち出した手記には、中村青児の設計した館"黒猫館"で起こった事件が綴られていた。
鹿谷は、どこにあるとも知れない黒猫館を探し、彼の記憶を取り戻すことができるのか?
館シリーズ6作目。トリックのスケールは大きいけど…うーん。
はじめにトリックありきで物語を作った感満点ですね。
叙述トリックと言うよりは間違い探し感の高い小ネタ満載です。
時計館の殺人
著者:綾辻 行人
「"現実"という名の巨大幻想を造り出し、これを確かな基本として万人に認めさせ、信じさせるような圧力を加え続けることが、この社会と言うものの最大の役割なんだと思う。そうすることによって初めて、人々に安定が供給されるわけだ。」
鎌倉の郊外に立つ時計館。その館は当時の当主がコレクションした108もの時計で埋め尽くされている。
幽霊が現れるという噂があるその館に取材のために訪れた雑誌「CHAOS」の編集者と霊能力者、W****大の超常現象研究会(ミステリ研)のメンバ達。
10年前に時計館で起こった痛ましい事故と、彼らを襲う連続殺人との関係とは?
館シリーズ5作目。場を支配する大掛かりなメイントリックを擁する閉ざされた館モノ。
事件が起こっている館内と、事件を知らずに他の謎を追っている館外の探偵役。
構図は氏のデビュー作「十角館の殺人」と全く同じですね。
解決後、真相がひっくりかえる所は流石ですが…