京極夏彦」タグアーカイブ

幽談

幽談 (幽BOOKS)幽談
 著者: 京極 夏彦

「こうやって、可能性を広げていく、それが想像力だと俺は思う。だから神秘と合理は相反するものじゃない。合理の先に神秘はある。非合理が神秘だと思うのは、そりゃ間違いだろうし、合理は神秘を否定するという、そういう短絡も、アホだと思うぞ」

ホラーでもない、怪談でもない、八つの幽談を納めた短編集。
収録作品はどれも、怖いわけでもなく、恐ろしいわけでもなく、可笑しいわけでもなく、なんとなく儚い、幽かな話。
京極堂シリーズや怪談百物語シリーズのような、キャラが立っている作品ではありませんが、味わい深い作品。
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前巷説百物語

前巷説百物語 (怪BOOKS)前巷説百物語
 著者:京極夏彦

「泣き乍ら帳尻合わせるばかりが人の道じゃねえ。
騙して賺して謀って、夢ェ見させてやることだって出来るじゃねェか。
神や仏ってな、その夢なんだろが。神も仏もねェ世なら、化物でも何でも構いやしねェ。
所詮この世は嘘ッ八だ。嘘と承知で収められねェものかよゥ。

小股潜りの又市が御行になる前、御燈の小右衛門や山猫廻しのおぎんと組んで仕事を始める前の駆け出しの頃のお話。
荒唐無稽な大仕掛けを仕掛ける「寝肥」や「周防大蟆」、御燈の小右衛門との出会いを描いた「かみなり」など前三作とは違った趣。
青臭い又市が、時に失敗をしながらも成長していくさまは読んでいて楽しい。
駆け出しの頃の話なので、前三作のような凝りに凝った大仕掛けは無いが、これはこれで楽しいです。

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巷説百物語

巷説百物語続巷説百物語後巷説百物語巷説百物語続巷説百物語後巷説百物語
 著者:京極夏彦

-嘘をね、嘘と承知で信じ込む。
-煙に巻かれ霞に眩まされ、それでもいいと夢を見る。
-これは夢だと知り乍ら、知ってい乍ら信じ込む、
-夢の中で生きるしか、
健やかに生きる術は無いんだ

あちら立てればこちらが立たず、八方塞の状況を、双方立ててつつがなく、八方丸く収める小股潜りの又市の化物仕掛けの狂言芝居。
小股潜りの又市と、いずれ百物語本を開版しようと諸国を巡り歩き怪談奇談を聞いて回る山岡百介。
山猫廻しのおぎん、事触れの治平、御燈の小右衛門ら脇を固める魅力的な悪党達も楽しい。

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邪魅の雫

519K8S1M6DL._SL75_.jpg邪魅の雫
 著者:京極夏彦

「邪なことをすると死ぬよ」

江戸川、大磯、平塚で連続して発生した毒殺事件。
被害者の関連性が見出せないまま、警察では連続殺人事件として認定。
捜査方針に疑問を持った青木刑事は独自に死因を調査し、特殊な毒物が使用されていることを発見。
一方、薔薇十字探偵社の益田は榎木津のオジ今出川からの依頼で、榎木津の見合い相手が次々とキャンセルしてくる謎の解明を依頼され

次々とあがってくる被疑者、しかし彼らも被害者となっていき
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今昔続百鬼?雲

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 著者:京極夏彦

全身妖怪研究家多々良先生と、伝説収集家沼上君が巻き込まれた不可思議な事件の話。
事件に巻き込まれようが自分の身が危ないときだろうが、いつも妖怪のことしか考えていない多々良先生がなんとなく真相を看破

すべての話に言えることですが、多々良先生は「鳥山石燕 画図百鬼夜行」に描かれる妖怪のことしか考えていません。
そして、クライマックスになると百鬼夜行図に描かれた二重三重の意味に気づき、それを聞いていた犯人が勝手に勘違いして自供し始めると言うなんとも楽しい展開。
しかも多々良先生本人は事件の真相にはまったく気づいていないと言う不思議な話。

最後の話には中野の古本屋もゲスト出演します。
多々良先生ファン必読の一冊。
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どすこい(仮)

4109TQ43JXL._SL75_.jpgどすこい(仮)
 著者:京極夏彦

「地響きがする−と思っていただきたい」
と言う一文で始まる7本の短編からなる作品。
全編に必ずおすもうさんが出演し、キーワードは四十八手「頭捻り」
ベタでメタな下らないギャグの繰り返しが楽しい短編集です。

おすもうさんとベタな笑いが好きな人にオススメ。
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百器徒然袋 風

4061823795.09._SCTHUMBZZZ_.jpg百器徒然袋 風
 著者:京極夏彦
稀代の探偵、榎木津礼ニ郎と下僕達にまつわる話。
1話目「五徳猫」事件で羽田製鐵の御大を怒らせた薔薇十字探偵社の一味に羽田製鐵側が珍妙な嫌がらせをする話2話(雲外鏡、面霊気)を収録。

関わった事件を全て完全粉砕する榎木津の破壊力がスカッと爽やか。
榎木津の下僕達(本島、益田、和寅)、京極堂や待古庵・木場修などのレギュラーキャラも総出で楽しい一品です。

「にゃあんこ」
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姑獲鳥の夏

21K5DWHKZBL._SL75_.jpg「姑獲鳥(うぶめ)の夏」
 著者:京極夏彦

先週末から映画が公開されてますね、今回は小説のほうの感想。
関口、京極堂、榎木津、木場修と、この後のシリーズで活躍する主要なキャラクターは一通り出演しています。
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嗤う伊右衛門

515RZY5ZGSL._SL75_.jpg「嗤う伊右衛門」
 著者:京極夏彦

四谷怪談をベースに京極夏彦が描いたラブストーリ。泣かせます

岩と伊右衛門、どちらも相手の事を想っているのに、ちょっとした行き違いとで2人は別れ、しかしそれでも互いに求め合う。
ラスト伊右衛門と岩の抱き合う骸が登場するシーンの描写は秀逸。
愛憎、美醜、正気と狂気、相反する感情を描いた傑作です。