探偵ガリレオ
著者:東野圭吾
「故障中、という言葉はあるのかな
故障、だけで意味は通るはずだが」
突然燃え上がる若者の頭、アルミ板に転写されたデスマスク、不可解な心臓麻痺、海中での大爆発、幽体離脱した少年の証言など次々と起こるオカルト現象。
それら難事件を科学で解明する若き物理学者湯川助教授と、その友人草薙刑事の掛け合いが楽しい本格ミステリ短編集。
福山雅治・柴咲コウ主演のドラマガリレオの原作。
ドラマが面白かったので、ヨメが図書館から借りてきた原作を読みました。
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沙門空海唐の国にて鬼と宴す
巻ノ1 巻ノ2 巻ノ3 巻ノ4
著者:夢枕獏
「おれは、密の何もかもを、根こそぎこの手にほしいのだよ。」
「—」
「しかも短期間でだ」
「なんと」
「そのためには、ただの留学僧空海として青龍寺へゆくよりは、
あの空海ということでゆく方が早かろう。」
貞元二十年(西暦804年)、遣唐使として橘逸勢らとともに入唐した若き沙門空海。
その頃、唐の都長安では、2つの妖異な事件が起こっていた。
役人、劉雲樵の屋敷には人語を解し予言をする猫が現れ、郊外の綿畑では夜な夜などこからともなく声が聞こえてくる。
長安入りした空海と逸勢は、その事件に関わっていき…
空海と逸勢の掛け合いが楽しい長編小説。
獏さんの「陰陽師」シリーズの晴明・博雅コンビを思い出します。
陰陽師シリーズがお嫌いでない方にはオススメの1冊です。
キノの旅 ? the Beautiful World ? (11)
著者:時雨沢 恵一
電撃文庫/メディアワークス
関連記事:キノの旅 the Beautiful World 10巻
買いました〜。
この腕で人を殴り この腕で人を抱く |
−Farewall to Arms?− |
キラレ×キラレ
著者:森 博嗣
「少なくとも、僕の仕事は、僕に仕事を頼んだ人を納得させることなんだ。
足を運んで、時間をかけて、汗を流しても、結局はわからなかった。
だけど、とりあえずは、なにもしなかったよりは、
努力をした分、しかたがない、という納得が得られる、というわけだね。」
満員電車で連続して起きる切り裂き事件。
被害者の共通点は、若くない女性(真鍋 談)ということ以外は見当たらない。
冤罪を被りそうになったことに腹を立てた建設会社重役から、依頼を受けて調査をすることになった"探偵"鷹知と、彼にアシストを依頼された椙田事務所の小川・真鍋は、犯人の正体を探し当てることができるか?
と言うわけで、Xシリーズ第2弾です。
終盤には、我らが西之園嬢も登場。
…っていうか、このシリーズにも関わってきそうな勢いを見せてます。
まだ終了していないGシリーズも気になりますが、こちらも目が離せませんね。
前巷説百物語
著者:京極夏彦
「泣き乍ら帳尻合わせるばかりが人の道じゃねえ。
騙して賺して謀って、夢ェ見させてやることだって出来るじゃねェか。
神や仏ってな、その夢なんだろが。神も仏もねェ世なら、化物でも何でも構いやしねェ。
所詮この世は嘘ッ八だ。嘘と承知で収められねェものかよゥ。」
小股潜りの又市が御行になる前、御燈の小右衛門や山猫廻しのおぎんと組んで仕事を始める前の駆け出しの頃のお話。
荒唐無稽な大仕掛けを仕掛ける「寝肥」や「周防大蟆」、御燈の小右衛門との出会いを描いた「かみなり」など前三作とは違った趣。
青臭い又市が、時に失敗をしながらも成長していくさまは読んでいて楽しい。
駆け出しの頃の話なので、前三作のような凝りに凝った大仕掛けは無いが、これはこれで楽しいです。
クレィドゥ・ザ・スカイ – Cradle the Sky
著者:森博嗣
ブーメラン、飛んでいるか?
「キルドレ」を主人公にしたシリーズの5作目。
記憶をなくしたキルドレが主人公。
クサナギは主人公の夢の中でだけ登場し、物理学者サガラが活躍。
シリーズ第一作目にして最終巻スカイ・クロラに繋がる話。
キルドレ達を巡るお話が、これで終わるのは寂しいですね。
読後感は静かだが、非常にエキサイティング。
シンプルで詩的な文体と、底辺に流れる徹底した死生観。
ぜひともシリーズを通して読んでいただきたい逸品。
関連記事:フラッタ・リンツ・ライフ
イナイ×イナイ
著者:森 博嗣
「理屈っぽいところは、確かにある。しかし、そうやって言葉で話しながら考えをまとめるタイプなんじゃないか。
ようするに頭のバッファが足りない証拠だ。まあ、簡単に言えば、頭が悪いんじゃないかな」
Gシリーズもターニングポイントを迎えたばかりなのに始まった新シリーズXシリーズの第1弾。
資産家と地下牢と密室と謎めいた美人双子姉妹です。
今回のシリーズの舞台は、いつもの那古野から場所を変えて東京。
…つうか、ミステリはネタバレが多くなりそうで、あまり書けませんね。
今までの S&Mシリーズ、Vシリーズ、Gシリーズを読んできた人は迷わず買いでしょう。
エピローグには、我らがヒロインらしき人がチラッと出てきます。