百器徒然袋 風
著者:京極夏彦
稀代の探偵、榎木津礼ニ郎と下僕達にまつわる話。
1話目「五徳猫」事件で羽田製鐵の御大を怒らせた薔薇十字探偵社の一味に羽田製鐵側が珍妙な嫌がらせをする話2話(雲外鏡、面霊気)を収録。
関わった事件を全て完全粉砕する榎木津の破壊力がスカッと爽やか。
榎木津の下僕達(本島、益田、和寅)、京極堂や待古庵・木場修などのレギュラーキャラも総出で楽しい一品です。
「にゃあんこ」
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クビキリサイクル?青色サヴァンと戯言遣い
著者:西尾維新
講談社NOVELS
買いました〜。
いやいや、凄まじく今さら感強い気がしますけど…。
随分昔に知人に勧められて、最近になってやっと買って読んだって感じです。
ストーリーは本の裏表紙の言葉を借りれば…
絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が
“科学・絵画・料理・占術・工学”
五人の「天才」女性を招待した瞬間、
“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする!
工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友(♀)と
その冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃん(♂)は、
「天才」の凶行を“証明終了”できるのか?
新青春エンタの傑作、ここに誕生!
第23回メフィスト賞受賞作。
とまあ、こんな感じ…。
でも、面白いかどうかは微妙かな〜(苦笑)。
確かに、様式美を信仰している人には書けない作品だな〜とは思うところですけどね。
個人的には…
既存のノベル + ライトノベル ÷ 2
という感じがして仕方がないですけど(苦笑)。
まあ、普通の推理小説も読める。
ライトノベルも抵抗なく読める人にはオススメできるのではないでしょうか。
− おまけ −
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山口雅也が古本屋で偶然見つけたペイパーバックをアメリカ人の原著者 Samuel X の了承の下に翻訳して出版したと言う体裁を取る作品。
舞台は外国人が妄想するおかしな日本。そこでは、まだ人力車が走り、侍が息づき、家々の門前には鳥居が立ち、遊郭が公認されていた!
死別したカズミ・カアサンの祖国日本のカンノン・シティーに移住してきたトウキョー・サム(トウキョーは母の旧姓)が、奇妙なハラキリ事件、茶室の密室、オイラン連続見立て殺人、相撲取り連続殺人、僧侶消失事件など数々のジャパネスクな難事件に挑む。
いや、もう徹底しておかしな日本に脱帽です。
お気に入りは、続・日本殺人事件収録の「実在の船」。
禅問答を主軸に話が進むため、多少難解ですがオススメです。
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垂里冴子のお見合いと推理
続・垂里冴子のお見合いと推理
著者:山口雅也
お見合いをするたびに事件が発生し、事件を解決はするが自分の縁談がまとまらない女性が主人公。
おっとり、のんびりの和風美人冴子さんが活躍したりしなかったり、どちらかと言えば周りがヤキモキ。
山口雅也の小説にしては珍しく普通のミステリです。
「事件は解決、縁談は未解決」
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煉獄のエスクード RAINY DAY&DAY
著者:貴子潤一郎
富士見ファンタジア文庫
随分前に買いました〜。
いやぁ〜、久しぶりの小説レビューですよ!
そして…
待ちに待った貴子潤一郎作品ですよ!
いやいやいやいや…
待ちに待った割りにはレビュー遅いな〜とか、
もうすぐ次の巻も発売されるんだなぁ〜とか言わないでください〜。
ど〜も、いろいろあって読めない時期があるのですよ(涙)。
ストーリーは、扉のところの文章を引用するなら…
「それの解読のために、何人もの人間が発狂し、命を失った」
フランスの古書店で発見された一枚の紙片。それには呪われた文字で“扉”の場所が記されていた。
「やつらは人の肉を喰らい、血を啜る」
“扉”−それは魔界とこの世を繋ぐ門。その封印が破れた時、世界は“魔族”に蹂躙され地獄と化す。
退魔の妖剣ブラディミールに選ばれてしまった少年・深津薫は、教皇庁の影の組織エスクードの一員となり、“扉”を封印する力を持つ美少女“レディ・キィ”の護衛の任務につくことになる。
「やつらにレディ・キィを奪われてはならない。護れない時はおまえが彼女を殺せ」
17歳の少年に託された残酷な使命……。だがそれは、薫の長い闘いの始まりにすぎなかった−。
とまあ、こんな感じの物語。
とにかく
どれをとっても最高です!
もう本当はバリバリ書きたいのですが、どう書いてもネタバレになりますし。本当にこれは読んで確認して欲しいので、今回は我慢します!
伝奇モノ・残酷な展開・裏切り…
この辺のキーワードにビビっと来る人は、是非手にとってみてください。
− おまけ −
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ワタシnoイエ
著者:荒俣宏
風水ホラー「シム・フースイ」シリーズの第1作。
新婚家庭に異常発生するカビカビカビ
新妻はカビノイローゼで狂っていく、困惑した夫は風水師「黒田龍人」に相談するが…
前代未聞のカビホラー。さすが荒俣宏、着眼点が違います。
風水に関する薀蓄満載のホラーです。
風呂のカビ掃除に追われる主婦の人には本気で怖ろしい小説。
#凄いニッチ小説だな(^^;;;
王妃の離婚
著者:佐藤賢一
15世紀末のフランスを舞台にした法廷サスペンス。
ルイ12世の離婚申し立てに徹底抗戦の構えを示す王妃ジャンヌ・ドゥ・フランス。
ジャンヌ側証人までがルイ側に寝返る不正裁判を、辣腕弁護士フランソワがひっくり返すラストは爽快です。
「インテリは権力に屈してはならない」
皆月
著者:花村萬月
主人公は妻に1,000万の貯金を持って逃げられたオッサン。
彼がヤクザ者の義弟とソープ嬢と共に妻を探して能登半島皆月まで行く話。
冒頭で主人公はゲイと喧嘩して前歯を折られたり、かなり切ない目にあいます。
が、最終的には主人公はヤクザ者の義弟との旅を通して、徐々に男として「再生」していく。
ラストはしんみりと泣けます。
この手のダメオヤジ再生モノは大好物なので星4つです。