-嘘をね、嘘と承知で信じ込む。
-煙に巻かれ霞に眩まされ、それでもいいと夢を見る。
-これは夢だと知り乍ら、知ってい乍ら信じ込む、
-夢の中で生きるしか、
健やかに生きる術は無いんだ
あちら立てればこちらが立たず、八方塞の状況を、双方立ててつつがなく、八方丸く収める小股潜りの又市の化物仕掛けの狂言芝居。
小股潜りの又市と、いずれ百物語本を開版しようと諸国を巡り歩き怪談奇談を聞いて回る山岡百介。
山猫廻しのおぎん、事触れの治平、御燈の小右衛門ら脇を固める魅力的な悪党達も楽しい。
イナイ×イナイ
著者:森 博嗣
「理屈っぽいところは、確かにある。しかし、そうやって言葉で話しながら考えをまとめるタイプなんじゃないか。
ようするに頭のバッファが足りない証拠だ。まあ、簡単に言えば、頭が悪いんじゃないかな」
Gシリーズもターニングポイントを迎えたばかりなのに始まった新シリーズXシリーズの第1弾。
資産家と地下牢と密室と謎めいた美人双子姉妹です。
今回のシリーズの舞台は、いつもの那古野から場所を変えて東京。
…つうか、ミステリはネタバレが多くなりそうで、あまり書けませんね。
今までの S&Mシリーズ、Vシリーズ、Gシリーズを読んできた人は迷わず買いでしょう。
エピローグには、我らがヒロインらしき人がチラッと出てきます。
ηなのに夢のよう
著者:森博嗣
「どうせ一度死ぬのならば、自分で今と決めて死にたい、と考えるのね。
どちらも生きたのです。
一回生きて、一回死んだのです。同じじゃありませんか?」
あいつぐ不審な首吊り自殺。
自殺者の側には「ηなのに夢のよう」と言う共通したメッセージが残される。
Gシリーズ6作目。
かなり前から、単品では評価しづらくなってきているGシリーズの6作目です。
今回も不審な首吊り自殺は置いてけぼりで、西之園嬢の両親が亡くなった航空機事故や、アメリカでも起こっていると言う噂の連続不審自殺。
紅子さんや、真賀田博士、保呂草さんも、ちょっとづつ顔を出して、いよいよシリーズ全体の伏線は張り終えた感じか?
くそぅ、こんなに焦らされるんだったらシリーズ完結してから読み出すべきだった…
関連記事:λに歯がない
カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep
著者:森博嗣
あんな僅かなことのために、
これだけの装置を作り上げたエネルギィ。
否、そもそもこれを作ろうと考えた、その発想。
無駄だとわかっているのに、自分の技のすべてをかけたのだ。
廃墟マニアの大学生郡司と栗城が、同級生のお嬢様真知花梨の故郷に招かれた(と言うか、招かれるように企んだ)。
彼女のふるさとに伝わる120年後に作動するように仕掛けられた謎の機械カクレカラクリ。
その機械(と言うよりも、それを作製した天才絡操り師磯貝機九朗)に興味を持った2人は、カクレカラクリを探すことに…
森博嗣初のドラマ化原作作品にして、コカコーラ社創立120周年タイアップ作品です。
時効警察 DVD-BOX
出演:オダギリジョー, 麻生久美子, 豊原功補, 岩松了, ふせえり, 光石研
監督:三木聡, 岩松了, ケラリーノ・サンドロヴィッチ, 園子温, 塚本連平
「日曜日にメガネをかけるなんて…
イギリス人じゃないんだから」
時効を迎えた事件を趣味で捜査する霧山修一郎(オダギリジョー)と、彼のアシスタント役をつとめる交通課の婦警三日月しずか(麻生久美子)。
彼らと愉快な仲間達が繰り広げる脱力系コメディ・ミステリ。
時効管理課課長の熊本(岩松了)や、刑事課の若きホープ十文字疾風(豊原功補)なんかの脇を固める固定キャラとのやり取りもおかしくてたまらない。
過去に TRICK を排出したテレ朝深夜枠で放映された久々の怪作。
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解体諸因
著者:西澤保彦
バラバラ死体が関連する事件を酔いどれ探偵"匠千暁"が推理する。
エレベーターが8階から1階に下りる16秒間に解体されたOL。
34個のパーツに解体された主婦。
両手両足に手錠をかけられ解体された母親。
首だけ順繰りにすげ替えられた7連続殺人事件…
すべてバラバラ殺人を扱った連作短編集。
さすがに、これだけ様々なバラバラ殺人を扱うとなると、トリック・奇想のための殺人と思わされるくらい強引な奴もありますが、おおむねOKです。
なによりもバラバラ殺人に拘ったこの連作短編集。
なのに、血なまぐささはありません。
純粋なパズラーとして楽しめる一品。
ザレゴトディクショナル 戯言シリーズ用語辞典
著者:西尾 維新
講談社NOVELS
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買いました〜。
理解しない者を拒絶する。
同意しない者を排他する。
首肯しない者を弾劾する。
それが正しさということ。